令和7年12月27日、虐待防止委員会主催による第2回職員研修を実施しました。
本研修では、実際に放課後等デイサービス事業所で発生した事例をもとに、
「なぜ虐待は起きてしまったのか」「どのようにすれば防ぐことができたのか」という視点で、各事業所ごとに事例検討を行いました。


事例① 放課後等デイサービスにおける身体的虐待事例
【設定】
- 事業内容:放課後等デイサービス
- 開所日:月~土
- 利用定員:10名
- 常勤人員:3.5名
【事例概要】
利用児から唾を吐きかけられた際、職員が指導としてげんこつで頭を叩く行為を行い、
同様の行為が複数回確認され、虐待と認定された事例です。
各事業所では、
- 職員間の情報共有は十分だったか
- 子どもと職員の関係性に、周囲は気づけていたか
- 職員のストレスや負担が蓄積していなかったか
といった点について意見を出し合い、
管理職による日常的な声かけやストレスチェック、職員同士の関係づくりの重要性を再確認しました。
事例② 児童発達支援事業所における「声かけ」の事例
【事例概要】
活動後に子どもの好きな遊びを設定しており、
活動中に
「〇〇しないと□□できないよ」
と声をかけることで、活動に取り組むことができていた、という事例です。
この事例について、
- これは虐待にあたるのか
- なぜそう考えるのか
という視点で意見交換を行いました。
専門家の見解から学ぶ
本研修では、弁護士および学識経験者の見解も共有されました。
弁護士の見解
- 「〇〇しないと□□できない」という言い方は、主従関係のような構図になりやすく望ましくない
- 課題達成のためには、プラスの声かけで動機づけを行うことが重要
- 職員は「しつけ」をする立場ではなく、「教育・支援」を行う専門職である
- 子どもが納得して課題に向かえるよう、道筋を立てた支援が必要
学識経験者の見解
- 絶対に提供されるべきもの(食事など)に交換条件をつけることは虐待にあたる
- すべての交換条件が虐待になるわけではなく、内容や度合いが重要
- 利用児の将来を見据えた支援になっているかを常に考えることが大切
研修を通してのまとめ
研修のまとめとして、次のような考え方が共有されました。
支援には明確な正解がなく、その子どもに合った関わりを常に見直す必要がある。
とっさの判断が求められる場面では、グレーと感じる支援が生じることもある。
しかし、その悩みを一人で抱え込まず、みんなで検証し続けることが、
グレーを「白」に近づける支援につながる。
最初から完璧な支援ができる支援者はいない。
だからこそ、統一した視点で考え、話し合いを重ねることが大切である。
職員間での意見共有(抜粋)
- 否定的な表現ではなく、「次は何をするんだっけ?」といった前向きな声かけを意識する
- 言い方次第で、虐待と受け取られる可能性があることを常に意識する
- 子どもの行動を制限する声かけになっていないか振り返る
- しつけではなく、療育的視点での支援を大切にする
今後に向けて
「育ち」では、
不適切な支援を決して起こさないことを大前提としながらも、
日々の支援を振り返り、悩みを共有し、学び合う文化を大切にしています。
今後も、虐待防止研修を継続的に実施し、
子ども一人ひとりの尊厳を守る支援を追求してまいります。